かわいい・美しい日本の伝統色一覧

色の名前が、かわいい・美しい響きの日本の伝統色をまとめてみました。調べ物や、小説・ゲーム制作などの創作にご利用ください。存在している日本の伝統色を掲載しています。

他にも名前についてまとめていますのでご覧ください。

※下記カッコ内は読みがなです。目次が長い場合は[閉じる]をタップまたはクリックして短くできます。

翠色(すいしょく)

特徴など
翠色は、翡翠かわせみの羽色のような鮮やかな緑色のことで、別名は翠緑すいりょくです。「みどりいろ」「みどり」とも読まれます。鮮やかで美しい青色の羽を持つカワセミは、「渓流の宝石」や「青い宝石」といわれています。宝石のヒスイも翡翠と書きます。

翠という字は、2024年3月生まれの女の子の赤ちゃんの名前で1位になるなど、美しい響きの名前として人気があります。

青藍(せいらん)

青藍は、紫を含んだ青色のことです。「青藍氷水せいらんひょうすい」という四字熟語があり、こちらは教えを受けた弟子が師匠を超えることのたとえの意味があります。

真朱(しんしゅ)

真朱は、少し黒みのある赤色のことです。「まそほ」、「まそお」とも読みます。「真」には「混じりもののない自然のまま」という意味があります。

銀朱(ぎんしゅ)

銀朱は少し黄色を含んだ赤色です。

真朱が朱丹しゅたんという天然の鉱物から作られますが、銀朱は朱丹に水銀と硫黄を混ぜあわせたものを焼いて作る人造の赤色顔料となります。真朱とは対象的な色ですね。

英語表記はバーミリオン(vermilion)です。

木蘭(もくらん)

木蘭は少し茶色を含んだ黄色です。木蘭色もくらんじきとも読みます。

木蘭とは、木蘭という木の樹皮を染料として染められた色で、位の高い僧侶の袈裟の色の一つです。

み空色(みそらいろ)

み空色は青と水色を混ぜたような色です。

色名の「み」は上品に呼んだ美称(他人をほめていうときの呼び方)で、漢字では御空みそらと表します。「み(御)」は、尊いものへの美称で、 神や自然、皇室など神聖なものを表す場合に使われます。

白藍(しらあい)

白藍は、かなり淡い水色で、アイスブルーに色です。「しろあい」とも読みます。また、「しろきあい」とも呼ばれ、古くからある色です。

琥珀色(こはくいろ)

琥珀色は、オレンジ色を少し茶色を混ぜたような、黄褐色です。色の名前の由来である琥珀は、松や杉などの天然樹脂が化石化した鉱物で、古代から宝石として使われています。「琥珀色」はブランデーやウイスキーの色の表現にも使われています。

琥珀の石言葉は、「抱擁」、「長寿」、「繁栄」です。

英語表記はアンバー(amber)です。

伽羅色(きゃらいろ)

伽羅色は、薄い茶色のような色です。

伽羅は沈香木じんこうぼくという木の一種です。伽羅は沈香木の中でも特別で、すぐれた香として珍重されてきました。

伽羅とは梵語ぼんご(サンスクリット語)で黒を意味する「キヤラ」から漢文に翻訳された言葉です。

菫色(すみれいろ)

菫色は、花のすみれからきた色名で、青みがある濃い紫色のことです。

日本最古の歌集「万葉集」でも詠まれるなど、古くから春を代表する花として愛されてきました。

菫の花言葉は「謙虚」、「誠実」、「小さな幸せ」です。

英語表記はバイオレット(violet)です。

杏色(あんずいろ)

杏色は、淡いオレンジ色です。杏の実はおいしく、花は美しいことから中身も容姿も素晴らしい人になってほしいとの願いをこめて、女性の名前としても人気があります。

英語表記はアプリコット(apricot)です。

桃花色(ももはないろ)

桃花色は、その名の通り、桃の花のような淡い紅色のことです。

古くは桃は「つき」と読まれており、日本書紀に「桃染布つきそめぬの」との表記が見られ、万葉の時代からある古い色名です。

聴色(ゆるしいろ)

聴色は、桜色に近いピンク色で、淡い紅色です。

昔は紅花の染料は非常に高価で、濃いの紅色は皇族や高い身分の人にしか使用を許されない「禁色」でした。身分の低い人でも着用が許された色が「聴色」でした。

苗色(なえいろ)

苗色は、少し淡い黄緑色です。

苗は稲の苗のことで、夏の色として平安時代から使われてきた色です。

常磐色(ときわいろ)

常磐色は、濃い緑色で、「常盤色」とも書きます。

常磐ときわとは、常磐とこいわ(永遠に変化しない岩石)が語源で、永遠不滅や不老長寿など、「いつまでも変わらないもの」の願いが込められた色名です。

江戸時代には縁起の良い吉祥の色として好まれていました。

紫苑色(しおんいろ)

紫苑色は、少し青を含んだ薄い紫色のことです。紫苑しおんという花が由来です。

源氏物語にも登場する色で、古くから親しまれている色です。

紫苑の花言葉は「あなたを忘れない」「遠くにある人を想う」「追憶」です。

萌木色(もえぎいろ)

萌木色は、草木が芽を吹いたような明るい黄緑色です。萌黄色とも書きます。

新緑の若木の色ということから若さを象徴する色であり、平安時代では若者向けの色として愛好されました。

桔梗色(ききょういろ)

桔梗色は、青を含んだ紫色です。桔梗の花が由来です。

平安時代から続く伝統色で、秋に着る服の色として親しまれていたようです。

鴇色(ときいろ)

鴇色は、鳥のときの羽のような黄色を含んだ淡い桃色です。別名に鴇羽ときは色があります。

現代の日本では鴇は絶滅危惧種であり、また特別天然記念物でもあるため限られたところでしか見られませんが、当時は鴇色はなじみのある一般的な色でした。また、女性の和服の色としても人気があったようです。

茄子紺(なすこん)

茄子紺は、茄子なすのような、濃い紫色です。名前に紺がついていますが、紫色が強い色です。

日本では、奈良時代から食べられていたといわれる茄子ですが、茄子紺という色名が使われ始めたのは江戸時代になってからだそうで、大正時代には茄子紺が流行色であったようです。

白百合色(しらゆりいろ)

白百合色は、白百合の花のようにわずかに黄色を含んだ白色のことです。

日本の中では、明治期以降に西洋から伝わった比較的新しい色で、リリー・ホワイトが訳して白百合色となりました。聖母マリアのシンボルである白百合を象徴であるため、「純潔」、「処女性」や、「透き通るような白い肌」の意味などによく使われる色です。

英語表記はリリー・ホワイト(lily-white)です。

月白(げっぱく)

月白はわずかに青を含んだ白色です。

月白を「つきしろ」と読むと「月の出ようとするとき、東の空が白んで明るく見えること。」という意味になります。

纁(そひ)

纁は少し淡いオレンジ色のような色です。「そび」とも読みます。

あまり馴染みのない色ですが、和菓子の名前につけられているようです。

茜色(あかねいろ)

茜色は、少し暗い赤色で、夕暮れを表す言葉としても使われています。

茜はアカネ科の蔓性つるせいの多年草で、その根が色の原料です。

深紅(しんく)

深紅は、深く濃い紅色で、真紅しんくとも書き、別名では「唐紅からくれない」や「韓紅からくれない」とも呼ばれます。

「ふかきくれない」、「こきくれない」、「こきべに」とも読まれていました。

真っ赤という意味があり、「真紅のバラ」といった表現がされます。

今様色(いまよういろ)

今様は、淡い紅色で、濃いピンク色を少し暗くした感じの色です。

今様には、「今流行りの色」という意味がありますが、「今」とは平安時代のことです。当時の貴族の間で人気の高かった、紅花で染めた淡い赤色です。

桜色(さくらいろ)

桜色はその名の通り、桜のような淡いピンク色です。日本の春を代表するような色です。

ちなみに、英語では桜色を、チェリー(cherry)といいますが、さくらんぼの色に由来する濃い赤色のため、色味は大きく違います。

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