色の名前が、かっこいい響きの日本の伝統色をまとめてみました。調べ物や、小説・ゲーム制作などの創作にご利用ください。存在している日本の伝統色を掲載しています。
他にも名前についてまとめていますのでご覧ください。
※下記カッコ内は読みがなです。目次が長い場合は[閉じる]をタップまたはクリックして短くできます。また、表の中に色を表示していますが、諸説あるため参考までにご覧ください。
  
白緑(びゃくろく)
| 色 | 
特徴など | 
| ■ | 
百緑は、鉱物の孔雀石(マカライト)から作られる岩絵具の色で、淡い緑色です。 | 
黒緋(くろあけ)
| ■ | 
飛鳥時代から高貴な色として使われていました。
 赤茶のような色で、別名に深緋(こきひ)があります。  | 
東雲色(しののめいろ)
| ■ | 
東雲色は、やや黄みの強いピンクに近い色で、東雲(東の空がわずかに明るくなる頃)の、朝焼けに染まった東の空の色であるとされています。 | 
空五倍子色(うつぶしいろ)
| ■ | 
空五倍子色は、五倍子という白膠木の木にできる虫のコブで染めた色になります。そのコブの中が空洞なため空五倍子と呼ばれています。
 コブは薄茶色ですが、染料で染めた色は薄黒い色となり、喪服に使われていました。  | 
黒橡(くろつるばみ)
| ■ | 
黒橡はドングリで染めた色で、貴人の喪服に使われていました。「橡」はクヌギまたはドングリ古名です。一方、薄茶色の白橡は、身分の低い者が着る服の色として使われていました。 | 
朱殷(しゅあん)
| ■ | 
朱殷は赤黒い血の色です。
 鎌倉の法華堂跡の碑文には「寶治元年六月五日三浦康村此ニ籠リテ北條ノ軍ヲ邀ヘ刀折レ矢尽キテ一族郎党五百余人ト供ニ自尽シ満庭朱殷ニ染メシ処トス」とあり、武将である三浦泰村が北条軍を迎え撃ちましたが、刀折れ矢尽きて家臣など500余人と供に自害し、庭一面を朱色に染めたという、かなり怖い色でもあります。  | 
深蘇芳(ふかきすおう)
| ■ | 
蘇芳色は黒味を帯びた赤色で、濃い順から深蘇芳、中蘇芳、浅蘇芳があります。 | 
黒鳶(くろとび)
| ■ | 
黒鳶は、暗い赤褐色である「鳶色」を暗くした色です。鳶色には他にも赤褐色の紅鳶という色もあります。 | 
朱華(はねず)
| ■ | 
朱華は黄色がかかった淡い赤茶色のような色で、梔子と紅花をかけ合わせ染めた色です。両方とも他の染料に比べると退色しやすいため、万葉集ではうつろいやすい人の心になぞらえ、詠まれている歌があります。 | 
左伊多津万色(さいたづまいろ)
| ■ | 
左伊多津万は植物の虎杖の古名で、黄色がかった緑色です。万葉集にも登場する古くから身近な色です。 | 
紅の八塩(くれないのやしお)
| ■ | 
紅の八塩は濃く深い赤色で、「紅」は紅花、「八」は多い、「塩」は染め汁に浸すという意味です。紅花の染め汁に何度も浸し、濃く鮮やかに染められた紅花染めです。 | 
濡羽色(ぬればいろ)
滅紫(めっし)
| ■ | 
滅紫は、灰色がかった紫色です。色名にある「滅 」は、「けし」とも読み、赤みや紫みなどの色がくすんだ色になるという意味で「けしむらさき」とも読まれます。 | 
露草色(つゆくさいろ)
| ■ | 
露草色は、水色のような色です。色が落ちやすいため、露草は「うつろう」、「消える」などに掛かる枕詞として使われていました。 | 
葡萄色(えびいろ)
| ■ | 
葡萄色は、フルーツのブドウのような紫色です。「葡萄」は、「ぶどう」ではなく「えび」と読みます。 | 
枯野(かれの)
| ■ | 
淡いベージュのような色です。冬枯れしたススキのような落ち着いた色です。 | 
不言色(いわぬいろ)
| ■ | 
不言色は黄色に近い色で、クチナシの実から作られます。クチナシの読みを「口無し」にかけた色名です。「言わぬ色」、「謂わぬ色」とも。 | 
唐紅(からくれない)
| ■ | 
唐紅は濃い赤色で、紅花で濃く染められた色です。「古今和歌集」の、在原業平の歌「千早ぶる神世もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは」にも出てくる色です。 | 
裏葉色(うらばいろ)
| ■ | 
裏葉色は、淡い緑色で、木の葉の裏側は表の色より薄い緑色であることを表現した色です。「うらはいろ」とも。 | 
水縹(みはなだ)
| ■ | 
水縹は水色の古い名前で、「みずはなだ」とも読まれています。 | 
至極色(しごくいろ)
| ■ | 
至極色は、黒に近い深い赤紫色のことです。最高位の官位の人が着る衣服の色として使われていました。 | 
山鳩色(やまばといろ)
| ■ | 
山鳩色は、灰色がかった黄緑色です。山鳩とは青鳩のことで、その青鳩の羽の色が由来となっています。 | 
秘色(ひそく)
| ■ | 
秘色は、淡い水色のような色で、焼き物の青磁のような独特の灰みを帯びた青緑色が神秘的な美しさであることが名前の由来となっています。 | 
退紅(あらぞめ)
| ■ | 
退紅は、桜のような色で「たいこう」とも読みます。紅花で染めた色で別表記で「荒染」とも書きます。 | 
木賊色(とくさいろ)
| ■ | 
木賊色は、植物の木賊が由来の緑色です。萌黄色を黒くしたような色で陰萌黄ともいいます。 | 
猩々緋(しょうじょうひ)
| ■ | 
猩々緋は鮮やかな赤色です。猩々は中国の伝説上の生き物で、その姿は猿に似ています。その猩々の血はとても赤いとされ、そこから猩々緋という色名ができました。(猩々はオランウータンの別名でもあります。) | 
朱鷺色(ときいろ)
| ■ | 
朱鷺色は、淡いピンク色で、鴇色、桃花鳥色の別名です。 | 
玄(げん)
鉄色(くろがねいろ)
| ■ | 
鉄色は青みがかった黒色です。鉄色は「てついろ」ではなく「くろがねいろ」と呼び、他にも金を「こがね」、銀を「しろがね」、銅を「あかがね」と呼びます。 | 
承和色(そがいろ)
| ■ | 
承和色は少し淡い黄色で、平安時代の承和という年号のときの天皇が黄色い菊を好んだことに由来する色です。 |